第4話:バブリー

ワテは浪速のデザイナー|既婚・子持ち・沖縄移住・起業漫画
第4話:バブリー|ワテはナニワのデザイナー|沖縄漫画(ワテナニ)

第4話:バブリー(余談)

株と土地で大儲けとか

ゴッホが何億円とか

クルーズに若者殺到とか

何もかもが売れまくって、ウソみたいに華やかだった時代…

80年代は、いろんな意味で世の中がハジケてた時代でした。建築や美術では、ポストモダンという言葉が独り歩きし、芸術の世界に、正に何でもアリの阿鼻叫喚状態をもたらしてくれました。バブル景気で土地が値上がりし、高層建築物がどんどん作られ、空間を飾る絵画や彫刻、陶芸、立体作品などがトンデモない高値で取引され、その中には飾られる事も無く投機目的で売買される有名作品も多く存在しました。私たちが学ぶ大学の先生方にも、様々な業界から制作受注が舞い込み、実際に私も授業内でアルバイトをしながら制作を手伝った事もあります。

いわゆる写実的にワカりやすい作品だけでなく、抽象的な表現の現代美術というジャンルにも大きな光が当たり、私の先輩や同世代でも世界のアートシーンで活躍する方が多く登場しました。私はコレといった才能もありませんでしたが、自分の好きな事にじっくり取り組み、今の仕事につながる素地を養う事ができました。この時代に生きていなかったら、得られなかった事はたくさんあるなぁと、あらためて感慨深いです。

ハジけるエネルギーの拡散は、音楽の世界にも影響が顕著で、シンセサイザーを使ったロックやポップスは当たり前となり、70年代とは全く違ったジャンルに偏らない振り切れた音楽シーンがどんどん勃興して行きました。もうひとつ忘れてはいけないのは、サンプリングマシンが大胆に導入されたのも、この時代の特徴でしたね。過去の音楽をサンプリングし、別の表現を加えたり変えて行く「マッシュアップ」の手法が確立されたのも大きな衝撃でした。

文学の世界では昔からあった、引用と組み替えの手法が、音楽の構造や表現にもダイナミズムを与えました。

(※音楽作成にPCを用いる事も、この時代に始まったんですよね。ホントいい時代の幕開けでした。)